将来の英語教員を
養成すると同時に
日本の英語教育を
支えていきたい。
外国語学部
英米学科
雪丸 尚美 准教授
研究の魅力
私の専門は英語教育です。特に、読むことに着目して、日本人学習者が効果的に英語を学ぶ方法を研究しています。最近は、教室の中の多様な学習者に着目しており、とりわけ日本人英語学習者の読み書き障がい(ディスレクシア)について研究しています。
ディスレクシアとは学習障害のひとつで、特に、英語は日本語と比べてディスレクシアが出現しやすい言語と言われています。日本語では困難を感じなかったのに、英語を学び始めてからディスレクシアに気がつく場合もあります。
近年、小学校から英語教育が本格化したことで、英語の読み書きに困難を覚える学習者が早期から出てくると想定されます。しかし、教育の現場でディスレクシアの存在が十分知られているとは言えません。英語教育で重要な課題のひとつだと感じています。
研究の源
大学で英語科教員を養成したいと昔から考えてきました。書店には英語教育に関する本が山ほどありますが、科学的な検証を得ていないものも多いです。将来の英語科教員を養成すると同時に、研究を通じて、日本の英語教育を支えていきたいと考えています。
研究の未来
現在は、英語の「読み」に関する研究から派生して、英語学習の読み書きにつまずく学習者と、そのような学習者に対する指導の研究を進めています。特に、ユニバーサルデザインという観点から、すべての人にとって学びやすい学習?指導のありかたを模索しています。また、学長裁量型研究費の助成を受け、学部生と社会人を対象とした多様性の理解向上のための研究プロジェクト「Unity in Diversity」にも取り組んでいます。
ゼミのイチオシ
私のゼミは、例年、教員志望の学生8割と、教職以外の就職を考えている学生2割で構成されます。授業では、英語教育の基本的な課題や、理論と実践についての英書を読み、内容について理解を深めるとともに教育実践への示唆を考察しています。英語教育は学生にとっても身近なテーマであるため、議論はいつも盛り上がります。
- 先生のイチオシ
数年前から、同僚のフィオナ?クリーサー先生と一緒に、英国の「スプリングボード」という女性のためのエンパワメント?プログラムを日本で実施しています。女性がいかに自律的に生きていくか、ということも大学時代からの関心です。
- オフショット
仕事以外では、畑仕事と園芸、海外ドラマ鑑賞を楽しんでいます。毎シーズン、10種類位の野菜を育てています。土を触ると心が安らぎます。海外ドラマのイチ押しは、『This is Us』という家族ドラマと、『NCIS』という犯罪捜査ドラマのシリーズです。
雪丸准教授
プロフィール
鹿児島県南九州市出身です。茶畑とサツマイモ畑に囲まれて育ちました。英米学科の教員ですが、中学生の頃は、英語は苦手科目でした。中学校を卒業した春に経験したホームステイで、英語でコミュニケーションをとる楽しさを実感しました。学部生の時は、英語を使う仕事に就きたいと考え、オーストラリア?メルボルンの大学に1年間留学しました。
卒業後は大学院の修士課程で英語教育について研究し、福岡県内の中学校で英語科教員として教壇に立ち、もう一度大学院へ。その後、縁あって本学に就職し、今では中学校と高校の英語科教員の養成に携わっています。英語ができなかった中学生の私や、英語が苦手だった元生徒たちのことを思い出しながら授業をしています。