応用製品の研究開発を
実施できるのが
材料の研究の魅力。
国際環境工学部
機械システム工学科
長 弘基 准教授
研究の魅力
「ものづくり」の技術を支える縁の下の力持ちとして、「材料」があります。この「材料」は地味で目立たない存在ではありますが、優秀な「材料」なしには優秀な「モノ」は作れません。私は材料工学(金属工学)の研究を専門としていますが、「優秀なモノ」を作るための「優秀な材料」の開発研究ができる、というのがまずこの研究の魅力です。
また、私は主に「変形させても加熱すると元の形状に戻ることができる」という、通常の金属にはない特異な性質を持つ「形状記憶合金」を用いた応用製品を提案?研究開発していますが、お医者様や企業の方や他分野の研究者の方と協力しながら応用製品の研究開発をすることができるのが、この材料の研究の魅力です。
研究の源
小学生の時、ある小説を読んでいたところ「金属工学」というワードが目につき、図書館で金属工学の本を探して読み、金属材料の研究は面白そうだな、と思ったのが最初です。あとは、子供のころ大好きだったガンダムがチタン合金でできている、という設定だったからでしょうか(形状記憶合金はチタン合金のものが最も実用化されています)。
研究の未来
最近、形状記憶合金に特殊な変形を付与すると、良好な振動吸収性能を発揮することを、異分野の先生との共同研究で発見しました。形状記憶合金はまだまだ新しい応用例を見出すことが可能な材料でして、これからも他分野の専門家の方々と協力して、形状記憶合金を使用した新しい「優秀なモノ」を作ることができると思います。
ゼミのイチオシ
ゼミでは学生に「どんなことに興味があるか」を聞き、その希望にできるだけ合わせた研究テーマを卒業研究として与えます。そして、できるだけ「自分で考えて」研究を実施してもらいます。もちろん毎日研究の進捗を聞いてアドバイスはしますが、命令通りに動くのではなく、「自分で考えて動く」癖をつけてもらいたいと思うからです。
- 先生のイチオシ
形状記憶合金、と聞くとあまりなじみが無いなあ、とお考えだと思いますが、炊飯器やコーヒーメーカーなど、意外に身近なところでも使用されています。ぜひ身近にある形状記憶合金を調べてみてください。
- オフショット
私は趣味でガンプラを作っていますが、最近のガンプラはとても凝った構造をしていて、機械工学的に非常に興味深いんですよ。ちなみにガンプラの神様「川口名人」こと川口克己氏は北九州市門司区出身なんです。ぜひ本学の学園祭に呼んでほしい人です。
長准教授
プロフィール
九州から遠い北陸地方、新潟県の豪雪地帯出身です。高校を卒業するまでは雪が2mぐらい積もるのは当たり前の地域に住んでいました。そのためスキーはやや得意です。カービングでない普通のスキー板でウェーデルンをするくらいはできます。大学では人力飛行機を作るサークルに参加、飛行機の主翼の製作を担当し、鳥人間コンテストにも2回出場しました。テレビにも、チームの応援団としてちょっとだけ映りました。大学で博士号を取得した後、富山高専に教員として採用されたのですが、鳥人間コンテストに参加していた縁で高専ロボコン担当教員となりまして、高専ロボコン2007では全国大会に参加させてもらいました。2013年より北九大に在籍していますが、上記の経歴の縁で学生フォーミュラ担当教員となっております。参加当初は苦しい状況が続いていましたが、2018年の大会で初めて本学の車両が競技に完全参加し、過去最高の成績を挙げることができました。あの時の感動は今でも忘れられません。このように自分の遍歴を顧みると、つくづく自分はものづくりが好きなのだなあ、と実感させられます。